AIのやらかす粗相の修正に新たなビジネスチャンス
07/06/2025
AIのおかげで仕事が増えたという広告系ライターのお話。企業がホームページや広告などのコンテンツ作成にAIを利用することが拡大しているが、その結果はあまり満足のいくものではないようだ。経費削減のつもりでAIを使ったが、様々な問題に突き当たり人間の専門家に最初から再依頼する羽目になり、余計にお金がかかることも。例えば、コピーライティング(キャッチコピー)。現在のAIはごく基本的なありきたりなキャッチコピーは書けても、ブランドの知名度、ターゲット層などを加味して、面白くて顧客の購買意欲を刺激するのは不得意。「優秀なコピーライラ―ならAIに仕事をとれる心配は今のところない」と経験者を語る。業界関係者によると、AIで作り出した文章などを修正、書き直すという仕事が急速に増えている。
文章作成以外の分野、プログラミングで不具合が起きた場合も、最初に人間の専門家ではなく、ChatGPT に相談することが増えている。でも、AIの指示に従ったために事態がさらに悪化したり、セキュリティ問題が発生した例もままある。AIは「hallucinate」(幻覚を起こす)ことがよく知られている。つまり、的外れだったり、でっち上げだったり、矛盾だらけだったり。つまり、AIは便利だが、人間の専門家の代わりにならず、利用する場合、人間による管理、修正が不可欠だ。
‘I’m being paid to fix issues caused by AI’ (BBC News)
AIに丸投げは、まだまだ無理ということですかな。使い方次第では便利で時間や経費節約につながるものの、その場合も人間の関与、監督は省けないようで。どっちが得か、よく考えて使わないと。
AIによる求人市場に変化の兆しが見えていますが、企業がAIにより効率化、経費節減を求めるのは避けられないとしても、深刻な問題は労働市場に新しく参入してくる若者のトレーニング、中高年の再教育の機会が失われることではないでしょうか?この記事でコメントしているコピーライラ―の方は、すでに技術、知識を身に着けた一人前のプロのレベルだから、現在のAIはライバルにはならないのでしょう。でも新しく参入してくる労働者は、AIの時代に学校を出た後、どこで学び、経験を積めるのか? 各分野で天才的な才能を持つごく少数を除いては、AIと競争できるレベルにまで行くことが難しい時代が到来するかもしれません。