“Voting for” or “Voting Against”?

予備選勝利が確定し、秋のニューヨーク市長選挙の民主党候補となったゾーラン・マンダニ(Zohran Mamdani)氏にNPR(米国公共ラジオ)が、一対一で長めのインタビューを行ったものを聴いた。マンダニ氏が頭が切れるだけでなく、他人の痛みを分かる政治家を目指していることがよく分かった。彼が経済的にも教育の面でも恵まれた家庭環境(両親共にハーバード大卒で、父親は学者、母親は映画監督)で育ったことについて訊かれたときの答えが印象に残る。彼は、自分が多くの人々よりも恵まれていたことを認め、だからこそ、人種や経済事情に関係なく誰でも質の高い教育や医療に平等に手が届くコミュニティにしたいと語った。富裕層の子弟として育ったトランプの支持者に対する「教育のないお前たちが大好きだ!」という言葉を思い出してほしい。

さらに目標として、Voting Against(対立候補を当選させたくない理由での得票)でなく、Voting for (積極的支持の証としての得票)を挙げた。私自身の過去の投票行動を振り返ってみた時、「Voting for」したい候補が見当たらず、ほとんどの場合「Voting Against(最悪を避ける/鼻をつまんで投票)」だったことを思い出し、新鮮に感じた。バーニー・サンダース上院議員の流れを汲む「民主社会主義者(democratic socialist)」であると自認するマンダニ氏。ニューヨーク市という特異な地域ではあるものの、この市長選の行方次第で米国の2大政党制を変える可能性もありそうだ。

One-on-One with Zohran Mamdani(NPR News)

Zohran Mamdani calls himself a democratic socialist. Here’s what that means.(Washington Post)