リベラルなはずの左翼系に反セミティズムが多い訳
02/20/2024
Why the left has a problem with antisemitism (The Times)
昨年10月のイスラエルのガザ侵攻とそれに対する各国の反応を追って来て、ずっと疑問に思ってきたことのひとつ。英国 The Times紙のこの記事(有料)を読んでほんの少しだけわかってきた。
人種差別に反対する左翼系の人々の中にも、反セミティズム(Anti-Semitism)的な発言や行動が多いことに疑問を持って来た。個人的には反セミティズムと反イスラエルを別のものとして考えてきたつもりだったが。
その歴史はソビエトから冷戦時代に遡るらしい。反植民地主義、反資本主義の枠組みの中で、ソビエトのプロバガンダの一部に「反ユダヤ主義」があった。その根底にあったのは、イスラエルへと脱出するユダヤ系住民に対する防衛機制だという。
第2次大戦後ソビエトは、イスラエル軍をナチの記憶を呼び起こすものと結び付けてきた。また、世界各地で起きた左翼系運動は、カストロのキューバ、ベネズエラのチャベス、イランのホメイニなど反植民地主義的な動きとの連帯へと繋がっていった。それは同時にイスラエルと敵対するアラブ諸国をソビエト側へと引き寄せる戦略でもあった。
*英国 The Times紙は、ルパート・マードック所有の保守系高級紙であることも忘れてはいけない。