米国:政治家が恥知らずになった今、昔のきまりは当てはまらない

When politicians have no shame, the old rules don’t apply (NPR)

かつて米国政治において「恥」は、強力な抑止力だった。しかし経歴の多くがウソだとバレたジョージ・サントス下院議員はまさに時代が変わったことを体現している。

サントス氏と鉢合わせた共和党の大先輩、ミット・ロムニー上院議員は、きつい忠告をし、その後記者たちに「もし彼に少しでも羞恥心というものがあるなら、ここに(議場)にいられないだろうし、いるべきではない」と語った。

サントス氏は複数の政治倫理違反の疑いで捜査をうけながらも、辞任すべきという声に聞く耳をもたないようだ。地元の共和党上院議員も「恥という観念がない人間に正しいことをしろと言っても無駄だ」とあきれる。

ニクソン大統領は、保守派の共和党上院議員らに、辞任しないなら弾劾裁判で辞めさせると言われて、辞任を選んだ。しかし、時代は変わり、米国は恥知らずな政治の時代へと入った。どんなに恥ずかしい目に遭っても、非難されても、笑い者になっても、記者に毎日詰め寄られても、本人がそれに耐えるなら、スキャンダルから生き残るのは以前より簡単になった。

この分野に詳しい研究者は、「本当に恥知らずなら、逮捕されないかぎり、この世界のほとんどのことをやり過ごすことができるだろう」と考える。それを体現したのはトランプ大統領だ。何度も何度も政界のルールを破り、恥知らずであることの達人だった。批判されると、メディアや既成勢力が自分を潰しにかかっていると反論して生き延びた。

「多くの人々は、すべて政治家は腐敗していて、ウソつきだという前提で考える。どうせインチキで信頼できないなら、自分が得するインチキを応援しようと」

Editor's note これはまさに日本の政治家にも当てはまりますね。