家畜の排せつ物から作る再生可能天然ガスがアメリカにゴールドラッシュをもたらすか?

Brown gold: the great American manure rush begins (The Guardian)

エネルギー産業は、牧場の廃棄物を再生可能な天然ガスへと変換する実験が始まっている。家畜の排泄物の山をトラックやバスを動かす「カーボンネガティブ燃料」へと再生しようというのだ。牧場は安定した原料の供給元になる。

廃棄物を利用した発電は世界中で昔から行われてきた。しかし、過去数年、公的機関、民間両方から「家畜の排泄物をエネルギーに転換するインフラ(poop-to-energy infrastructure)」への投資が急激に増えている。米国ではカリフォルニア、ウィスコンシン、ニューヨークなど牧畜業が盛んな州に集中している。

バイデン政権の気候変動対策への積極的な取り組みを盛り込んだビルドバックベター法が追い風となり、家畜と排ガスを減らす一石二鳥な戦略としてもてはやされている。一方、牧畜業から排出される大量のメタンは地球温暖化に最も悪影響を与える汚染源と考えられている。

動物の排泄物から出るメタンは、化石燃料から作り出される天然ガスとほとんど区別できないRNG(renewable natural gas=再生可能天然ガス)を生産できるという。計画中の流れとしては、牧場に消化槽を設置し、発生したガスを集めて近くの精製所に送り、できたRNGはガソリンスタンドで販売される。