英国:BBC経済報道には特定政党への偏りはなかったが、記者の多くに基本的経済学の理解不足
02/03/2023
Review of BBC economic coverage finds concerns but no systematic bias (BBC)
BBCは自社の税制、予算、借入などを含む政府の経済政策の報道について、特定政党への偏向の有無を調査した。これは、BBC理事会により委任された報道の偏向に関する調査(BBC unveils ‘significant’ 10-point impartiality plan)の最初の報告。
2021年10月から2022年3月の間に発信された1万1000件のオンライン、テレビ、ラジオ、SNSのコンテンツのレビューからは、「故意だと思われる偏向の証拠は見つからず、大きな公平性を損なう可能性は否定できない」と結論した。
しかし、ジャーナリスト側の問題を指摘する。あまりに多くの記者が基本的な経済学の理解がなく、それを報道することに自信がないようだ。それによって、公正な報道ができない危険がある。例えば、国の借金について。記者の中には、借金が単純に良くないことととらえており、それ以上深く切り込まないものもいる。また、「公共投資や減税はいいこと」と単純に思われかねない内容も指摘された。
また、聴視者調査の結果では、内容が理解できないという視聴者の数の多さに心配な点がある。経済政策に関する報道の公平性に関するコメントはほとんどなかったが、それは記事の内容がきちんと理解されていなかったからかもしれない。