英国:有権者証明の厳格化が民主主義に影響を及ぼす?

Will the UK’s strict new voter ID laws damage democracy? (The Guardian)

英国では来年5月の選挙から、写真付きの身分証明書を投票所に持参しないと投票できなくなる。以前には名前と住所を告げれば多くの場合、投票ができた。パスポートや免許証などを持たない場合、オンラインで申請すれば無料で選挙人IDを作れるという。しかし、投票手続きを面倒にすれば、低所得者層、制度に不慣れな移民などが投票を諦める可能性が増えると予想されている。また、使える証明書類から学生証が除外されたため、若者の投票率にも悪影響を心配する声もある。

投票に写真付きの証明書の提示を条件とすることになった背景として、保守党のマニュフェストは、複数回の投票やなりすましなどの不正を防ぐためとするが、実際には英国でこれまでに不正が発覚した例はほぼゼロ。「不正があると思われるのを避けるための対策」という見方もある。

反対派は、米国で黒人が投票しにくくする「有権者抑圧」(voter suppression’)と似た戦略であり、保守党支持者が少ない、若者や経済的・社会的事情などから疎外されやすい人々が一番の影響を受けると批判する。

Editor's note現政権のナンバーカードのごり押し、なんでも紐づけのやり方を見ていると、日本でもあり得ますかね。「給食費と引き換えに「マイナカード作れ」と市が通知 背景に見える国の強引な普及策」(東京新聞)