技術先進国だったのは過去、FAXやハンコを引きずる日本
東京と言えば、新幹線、「Akira」などアニメに代表されるロボットやホログラムに溢れた未来都市をおもい浮かべるかもしれない。しかし日本には、他の先進国でとうに廃れたFAX、フロッピーディスク、ハンコなど、近未来的都市のイメージからかけ離れた面がある。
コロナという危機に直面し、日本政府はようやくデジタル時代に向き合った。デジタル省が設立され、多くの構想が出てきた。しかし、それはウェブが始まって36年経っていた。1970、80年代、ソニー「Walkman」や任天堂「マリオ」を世界に提供した日本は憧れの的だった。しかし21世紀、コンピュータとインターネットの普及で一転する。世界がソフト中心の経済へと転換する一方で、日本はソフトウェアやサービス経済への対応が遅れた。情報通信分野への投資が足りず、電子関連産業は縮小、技術者は海外へ流出した。残ったのは、デジタルリテラシーが低い政府とテック分野の人材不足。ツギハギだらけのIT政策には、政府の統一した目標が見られなかった。公共サービスでは、今でも紙の書類に頼り、個人認証には「ハンコ」が使われる。
日本の企業内では、年功序列、全体合意にこだわる意思決定など革新に積極的でない文化が障害となってきた。少子化により高齢者の割合が急速に高いため、デジタル化に対する信用も需要が高くないことも理由のひとつ。FAXが使われ続けているのは、銀行や病院などで日常サービスが混乱することを恐れているからだとの指摘も。さらにデジタル化を進めるためには既存の何千もの法律や規制を変える必要も出てくる。政治家も選挙で票の獲得に直接結びつかないデジタル化を急ぐ強い動機がない。
新幹線網に代表され公共交通機関、コンビニや自動販売機が生活の一部となっている安全で清潔な日本というイメージが外国人旅行者にはあるかもしれないが、ポケベルが廃止されたのは2019年。この国では古い技術が残っている。ある在日外国人は、「日本の銀行は地獄だ」とフェイスブックに書き込む。銀行口座開設や役所の手続きでハンコが必要なこともまだある。2021年にはデジタル大臣がコロナパンデミックへの対応を「デジタル敗戦」を表現した。
人口減少が続く中、生産性を高めることは不可欠。それでも政府関連のFAX機を廃止しようとしたデジタル省には大量の反対意見が届いたという。それでも大手のデジタル化コンサルは、「日本は5年から10年以内に、他の欧米先進国に追いつけるだろう」と楽観的だ。
Japan used to be a tech giant. Why is it stuck with fax machines and ink stamps? (CNN News)
特別に新しいネタもなく、面白くもない記事なんですが、見出しの「Japan used to be」というフレーズが気になって取り上げました。日本はすでに過去の国の扱いなんですね。最近韓国の現代史の本を読んだのですが、大学進学率が80%を超えているというのを知って、衝撃を受けました。