人工芝は、本当に経済的、そして安全?

5人の子供に人工芝の競技場でスポーツをさせない疫病学者がいる。長期的な健康被害については分かっていないが、砕いた古タイヤを原料とする人工芝には、発がん性物質、人体に有害な金属、フタル酸エステル、その他ホルモンに悪影響を与えるいわれる物質が含まれ、それらが若い競技者の体に取り込まれる可能性があるからだ。北アメリカには1万8,000か所の人工芝の競技場があり、毎年1,500づつ増えている。サッカー、アメフト、ラクロスをやっているなら、多分こどもは人工芝上でプレーしている。業界の代表によれば、人工芝が通年使え維持費が安いため、経済的で稼働時間を延ばすと主張。また、放水の必要を減らし、除草剤や肥料も使わないと。しかし、EUはマイクロプラスティックの元として近隣河川などの汚染につながると環境汚染について警告している。

問題となるのは表面の充填に使われる主に古タイヤから作られるゴムのくず。ひとつの競技場につき40,000個のタイヤが必要だと言われる。タイヤゴムの使用を禁止する地域もあり、コーティングされた砂、コルク、ネッツの殻やココナツの繊維などが代替品として使われ始めている。人工芝の最大の売りは、雨や雪でも泥んこにならず、天然芝に比べ2倍以上の年間3,000時間の使用が可能だと言われている。

ところが人工芝は暑さには弱い。天然芝のように水分を発散して冷却することはできないからだ。真夏にはアスファルト以上に熱くなることが知られている。靴のスパイクを溶かしたり、やけどを負わせたり、熱中症を引き起こすこともある。多くの学校や自治体は、人工芝の温度が49度を超えると、競技を中止したり、制限している。水撒きの設備やコルクなどを使用すれば、温度は抑えられるが、費用はかさむ。

現在のこころ、有害物質を含む古タイヤのゴムくずが健康被害を引き起こすという断定的な研究結果は出ていない。しかし、マウントサイナイ病院のこども環境健康センターでは、人工芝を避けることを強く勧める。競技後、皮膚をよく洗い、暑さの厳しい時には競技時間を制限、人工芝上での飲食も避けるべきと、消費者製銀安全委員会(U.S. Consumer Product Safety Commission)も勧めている。
Why one epidemiologist won’t let his kids play on artificial turf fields (Washington Post)