トランプ、最新雇用統計が気に入らず、労働統計局長を解任
08/02/2025
最新雇用統計発表の数時間後トランプは、労働統計局局長を解任した。発表された7月の雇用統計の数字が低かったのは、バイデン前大統領が任命した局長がデータを操作したため、というのが理由。正確な雇用統計が必要なので、より能力がある適任者に即代えるように指示したという。7月の農業従事者以外の新規が7万3000人と予想を下回ったことがショックだったらしい。トランプは、統計発表前まで繰り返し労働力市場に活気があると主張してきた。同局は過去2カ月の統計についても大幅に下方修正した。「数字が気に入らないという理由で、過去いくつもの政権下で働いてきた職員をクビにするのは、健全な状況とは言えない」と投資専門家。
Trump fires commissioner of labor statistics after weaker-than-expected jobs figures slam markets (CNBC)
この局長さん、忖度しなかったから職を失ったということでしょうか。データを元にした統計ですから、局長の一存で発表する数字が決まるわけではないでしょう。フェイクな統計であると根拠なしに主張されてもね。局長さんが訴えるとかありそうな。ところで、忖度が得意な日本の官庁発表の数字は(笑い)?
こんな本、出ていたんですね。国家の統計破壊 (インターナショナル新書)
トランプの第一次政権の労働統計局長で、現在ヘリテージ財団(トランプの政策集団)の一員であるウィリアム・ビーチ氏も今回の解任について、「根拠がなく、労働統計の信頼性を損なうもので、危険な前例となる」と批判されてます。身内からもダメ出し。
Trump’s first-term labor statistics chief denounces ‘groundless firing’ of successor – live (The Guardian)
クリントン政権で労働長官を務めたロバート・ライシュ氏が、トランプの統計局長の解任についてコメントしています。統計局は雇用、インフレ、その他の経済データを追跡する独立した機関で政策を決める上で重要な役割を果たしている。数字が気に入らないからと口出しすることは、「国家に対する反逆」と言える。トランプが後任に自分が操れる人物を選んだら、統計局は国民の信用を失うだけだ。利下げを巡り、FRB(連邦準備制度理事会)パウエル議長に辞任を迫っているのも、米国の信頼を落とすだけ。
Did Donald Trump Just Commit Treason? (MSNBC)