米国:WWIIの放射性廃棄物で住民のがんリスクが上昇
07/22/2025
ミズーリ州セント・ルイスの小川 Coldwater Creekが、第二次大戦から60年代まで核兵器製造所から放射性廃棄物で汚染され、近隣で育ったこどもにがんのリスクが高いことがJJAMA掲載論文で分かった。マンハッタンプロジェクトの一部として、原子爆弾開発のためウラン濃縮を行う工場があり、1940年代半ばには小川近くにドラム缶に入れられた廃棄物が放置されていたという。
ハーバード大公衆衛生学教授らの研究によると、この地域のガンのリスクは、汚染された小川と育った場所の距離との相関関係が認められた。この論文は1958年に始まった4029人の住民から入手した乳歯のデータを元にしている。参加者の1/4がなんらかのがんにかかっていた。小川から1キロに住んでいた子供は、20キロ離れた場所の子供に比べ、44%高い割合でがんにかかっていた。さらに川から1キロ以内の住人だと、放射能が原因と考えられるがん発症が85%高かった。ストロンチウム90の半減期は29年、乳歯のより詳しい分析を急ぐ必要があるとしている。
少し前に議会を通過したトランプの富裕層への減税などを盛り込んだ「One Big Beautiful Bill」には、地元選出上院銀が付け加えたよく知られていない条項がある。放射能廃棄物により健康被害を受けた住民への補償が盛り込まれ、放射能が原因と考えられるがんで亡くなった住民に2万5000ドル(約216万円)、治療中や過去に発病していたら5万ドル(約430万円)が支給される。
A creek with atomic waste from WWII is linked to increased cancer risk (NPR News)