先週聴いたポッドキャストから

先週は毎日、熱中症厳重警戒ばかりで、日が落ちても暑くて3回30キロ弱しか外をランニングできず、ローラー台上で自転車を漕ぐ時間が増えた。その結果、長めのポッドキャストを聴く機会が多くなった。その中から気になったものをここに置きます。

まずは、米国サタディ・ナイト・ライブで初のアジア系レギュラーキャストとして、また映画等でも活躍するボーウェン・ヤン(Bowen Yang)さんへのNPR Fresh Airのインタビュー。オーストラリア生まれで、カナダに移住しさらに米国にやってきた彼の生い立ちも凄まじいけど、中国出身のご両親もなかなか。父親は内モンゴル出身の鉱山技師。母親は医学校主席卒業の産婦人科医。もしもご両親が移民してなかったなら、中国の一人っ子政策のために自分は生まれていなかったと。ヤン氏はゲイであることをカムアウトしているが、医師である母親にもconversion therapy(転向療法)を強制された過去も。
‘SNL’ castmember Bowen Yang shares a piece of ‘cultural contraband’ from his youth (NPR Fresh Air)

トランプの信頼厚く、人事にも口出すインフルエンサー、ローラ・ルーマー(Laura Loomer)。正式なポストに就いていないにもかかわらず、トランプに忠誠心が足りないなどと告げ口をして人事に影響を与える怪人の成り上がりの過程をNYT記者がインタビューを通して振り返る。パレスチナ系の下院議員ラシダ・タリーブ氏への違法でひどい嫌がらせでFBとTwitterから追放され食えなくなったものの、イーロン・マスクによるTwitter買収により復活。共和党の大統領予備選挙中は、トランプ氏の潜在的ライバルだった地元フロリダ州知事デサンティス氏の選挙運動を妨害したことから、トランプ陣営に見いだされ、トランプ本人に面会、仕事をオファーされるものの、選挙運営幹部が「危険すぎる」として採用を見送る。彼女はそれを今でも恨んでいる。トランプの取り巻きをバイパスして直接電話やメッセージをやり取りできるようになって、復讐している? 彼女も決して貧しい家庭ではないけど、家庭環境が難しくて寄宿学校に送られたりしている。その辺りがヘイトの源泉になっているのかも。その彼女が今ではトランプのお気に入り。人事面などで、親戚に民主党員や(敵対国)外国出身者がいないかとか、いろいろ調べては、SNSに投稿したり、トランプに進言する。SNS以前だったら、施政者に取り入るいんちき占い師になっていたような気がする人物。イスラエルの攻撃で負傷したパレスチナの子供へのビザ発行の停止をトランプに進言したのも彼女。
The Right-Wing Provocateur Who Has Trump’s Ear(NYT The daily)
イスラエルの新聞が同胞として報道してましたね。(米国メディアでは、彼女がユダヤ系で強いイスラエル支持であることはあまり触れられない)
Jewish anti-Muslim provocateur Laura Loomer wins GOP primary in Florida (The Times of Israel)

もうひとりのユダヤ系でトランプの信頼厚い国土安全保障担当補佐官のスティーブ・ミラー(Stephen Miller)。移民の大量国外退去政策の立役者です。弁護士の親が失脚して富裕層の住宅地からワーキングクラスの地域に引っ越したトラウマを引き金とする彼が白人至上主義者(本人ユダヤ系だけどね)になっていく過程がひじょうに興味深い。ラジオやネットの右翼に染まって、とつぜん高校のヒスパニック系の友人と付き合えなくなるとか。変じゃね? 有色人種の用務員がいるのに、白人である自分たちが学校の掃除をさせられるのは腑に落ちないというプラットフォームで校内選挙に出るとか。日本の右翼でもこれが当てはまりそうな人物いそう。彼の生い立ちから詳しく取材してきた元LA Timesのジーン・ゲレロ(Jean Guerrero)さんへのインタビュー。
Stephen Miller, Trump’s immigration mastermind – podcast (The Guardian)
The Cruel World According to Stephen Miller (The Nation)

1件のコメント

  • トランプ側近や取り巻きのユダヤ系米国人で目立つふたりを取り上げましたが、ここに書かなかった部分を汲んでいただけるとうれしいです。民主党だってイスラエルべったりだけど、人種や民族へのヘイトを持った政策をおおっぴらにはできない。国内外の圧力でトランプを失脚させて、彼らを米国の政権から追放しないとジェノサイドは止められない。