米国:核兵器製造施設跡地から放射性ハチの巣が見つかる

サウス・キャロライナ州の核兵器製造施設跡地から、放射性のハチ(Wasp)の巣4つが発見された。施設は冷戦中、プロトニウムやトリチウムなど水素爆弾の材料製造を行っていた。エネルギー省は、低レベルの放射能に汚染されたハチの巣が見かったことを認め、「それらの巣は、作業員、地域住民に健康被害を及ぼしたり、環境汚染につながることはない」とNYTの取材に回答している。汚染された巣は、核廃棄物を保存するタンク近くで発見され、殺虫スプレーでハチを除去したのち、袋詰めにして核廃棄物として処理された。

地元大学の生物学者は、「(ハチの巣は)施設が完全に除染され、保護されていない証であり、汚染が地域に広がっている可能性もある」と語る。さらに、エネルギー省の報告書には、実際の放射能レベルの値、どのような同位体が検出されたなどの重要な内容が含まれておらず、放射能汚染の原因が、施設稼働時の過去の汚染によるものなのか、最近漏れたものなのか明らかでない。ハチの巣が汚染された理由については、除去されていなかった汚染された腐朽した木を巣作りに使用したと考えられるという。2017年には、同施設内の建物の屋根から放射性の鳥のフンが見つかったこともあった。ハチは鳥のように長距離を移動することはないが、もっと詳しい調査と監視が必要だと生物学者はつけ加える。
‘Hot Wasps’ Found at Nuclear Facility in South Carolina (New York Times)