米国:中国EVバッテリー工場誘致に揺れたミシガンの田舎町
07/14/2025
トランプ関税の目的は米国内の製造業の再興。ミシガン州の田舎町にEV分野に注力する中国のバッテリーメーカー、Gotion(国軒高科)の工場誘致の話が持ち上がった。保守的な町を牛耳る共和党の政治家は、雇用創出や地元経済活性化のために、減税など好条件を提示、中国企業の工場設立に積極的に協力する立場をとった。ところが、トランプ支持/MAGAの住民たちは、中国/共産主義への嫌悪(=排外主義)から反発、さらに環境汚染を心配する牧畜業など進歩派の住民も反対へ。反対派は党派超え広範囲な住民運動へと発展した。その結果、誘致派議員5人がリコールされ、計画は白紙へ戻った。その後、Gotionは同じ州の別の町に工場建設の計画を移したという。
When Chinese manufacturing met Small Town, USA (Planet Money/NPR)
少し古いこのポッドキャストを紹介したのは、保守的な町で、環境保全派と排外主義が合体し、町の政治をひっくり返した構図が、今日本で話題の某政党と表面的には、よく似ていると感じたからです。この町では従来の利権を守ろうとした保守派が、工場を許さないという一点だけで、トランプ寄り極右と組んだ環境派に負けました。今の状況だと、参院選挙後、その政党は連立政権に入る可能性が高くなりそうですが、そうなったとき、この政党は、選挙公約通りの政策を押し通せるか? 本当に心から環境を大切にしたり、排外主義を進めるつもりなのか、それとも時流に乗って選挙で当選するための手段だったのか? 私はその矛盾がすぐに露見すると見ています。