シャイロックが暗示する意味を知らないと、とぼけるトランプ
07/05/2025
予算案が議会を通過してご機嫌なトランプ、アイオワ州の支持者集会でこんな発言。「(自分の予算案に盛り込まれた減税により)銀行から借金する必要がなくなる。良心的銀行もあるが、なかにはシャイロックのような悪いのもいる」。シェークスピアの戯曲「ベニスの商人」に登場するユダヤ人の金貸しがシャイロックであることは誰でもご存じだろう。そして、それがユダヤ人ステレオタイプを示す「差別用語」になっていることも。でも、トランプはとぼける。「そのような使い方は知らない。シャイロックは高利貸しのことだろ? あなたとは意見が違うようだ。私は決してそういう(反ユダヤ的)で使われたことをきいたことがない」。
Donald Trump Accused Of ‘Blatant And Vile Antisemitism’ With ‘Deeply Dangerous’ Trope (HUFFPOST)
もしも、本当にシャイロックが示唆する意味や背景を知らないなら、単なる無知。高齢でボケているとも考えられるが、そうなら大統領という職務は無理。単に口が滑ってごまかしただけだろう。問題はこれをトランプの下回り米国メディアがわざと取り上げないこと。バイデン大統領が副大統領だった2014年に「シャイロック」という言葉を使った時には、反ユダヤ的ととられる表現を「軽率で間違った言葉の選択だった」と謝罪している。
Biden says use of term ‘Shylocks’ was a poor choice (CNN News 2014)
ニューヨークタイムスにも記事きました。Jewish Leaders Denounce Trump’s Use of Centuries-Old Trope (NYT)