ベトナム: クラウドファンディングで食料危機のキューバに恩返し
ベトナム国民がキューバに少額寄付で恩返しをしている。ベトナム戦争中の1960,70年代に。キューバが食料や医療援助してくれたことをベトナム人は忘れていない。SNSでインフレで飢餓広がるキューバへの援助の呼びかけ、クラウドファンディングが始まった。経済制裁で孤立し経済危機に直面するキューバの現状は、ベトナム人にとって他人事ではない。両国は共産革命を経て独立を勝ち取った。でも冷戦終結後、両国の立場は入れ替わった。ベトナム赤十字の呼びかけで始まったクラウドファンディングは、一週間で1300万ドル(約19億円)以上を集めた。国交樹立65周年を祝うこの募金運動は、国家間というより人と人のつながりを象徴している。
経済の低迷に悩まされたベトナムは1980年代半ばに素早く自由経済へと移行、1995年に米国と国交回復した。農業と製造業の発展で最貧国から脱却を果たしている。一方、キューバは2016年にフィデル・カストロが死んだ後も、独裁的政権とイデオロギーにこだわり続け、国民の教育水準が高いにもかかわらず、経済成長が見られない。現在も観光産業がコロナパンデミックから立ち直れず、米国から禁輸などより厳しい制裁が課され厳しい状況が続く。燃料不足から停電が頻繫に起こり、物価は4年で4倍に。配給されるコメの大部分はベトナムの支援だ。ベトナム人の中にも、援助だけではキューバの問題は解決できないし、国民を貧しくした指導者を支援すべきではないとという意見もある。ミゲル・ディアスカネル大統領は、SNSでベトナム国民の支援に感謝の意を表しているが、募金の使い道については明らかにしていない。
Vietnamese Are Helping Cuba With 38-Cent Donations. A Lot of Them. (NYT/Gift article)