米国:科学分野への研究支援削減、天才数学教授も国外流出?
08/07/2025
トランプの米国、研究開発に対する資金削減の影響が表面化している。今度は数学の天才を海外に失うことになりそうだ。UCLA教授のテレンス・タオ氏は、19歳でプリンストン大博士課程に進み、2006年には数学のノーベル賞と言われるフィールズ賞を受賞した。彼の素数に関する研究は乱数生成への洞察を深め、暗号技術に大きく貢献。数学のモーツァルトと尊敬されてきた。しかし、NSF(米国立科学財団)の研究補助金の遅れで、大学院生の支援や研究を進めることが困難になったため、 UCLAを離れる。
タオ氏に限ったことではなく、米国トップの大学の科学や医学分野の研究者たちの大半が、トランプ政権の進める連邦補助金の停止により、大きな打撃を受けている。タオ氏の離職の決断は、単に補助金を失ったためだけでなく、米国の国際競争力を支えてきたSTEM教育(Science,Technology,Engineering,Mathematics)の将来への長期的な不安だという。現時点で彼の去就は明らかではないが、科学やテクノロジー分野才能の勧誘に熱心な中国が気になる。
As Trump funding cuts hit even maths prodigy Terence Tao, China remains a talent magnet(South China Morning Post)
He’s the ‘Mozart’ of Math and Trump Killed His Funding(The Bulwark/有料記事)