米国:30年以上前に冷凍保存された胚を使い出産

30年半保存されていた胚(embryo)を使いオハイオ州のカップルが、男児を出産した。現在62歳になるドナー女性が1994年から保存していたものを利用したもので、新生児には30歳になる姉がいることになった。ドナー女性は4つの胚をIVFのために用意し、そのうちのひとつから娘さんが生まれ、残り3個は、以来ずっと冷凍保存されていたという。彼女は、離婚したものの胚の養育権を勝ち取り、いつか別のパートナーと使う機会を期待していた。しかし、閉経を迎え、年々上がる保存費用が約1000ドル(約15万円)になった。彼女は胚を生きた人間とみなすキリスト教徒で、廃棄や研究用に使われることが嫌だったという。そこで胚の養子縁組を検討、キリスト教系の斡旋団体を通して、彼女の条件に合うカップルが2022年に見つかった。

しかし、昔の保存法は液体窒素を用いた高速冷凍ではないなく、子宮に戻す過程が煩雑になり、生き残る可能性が低いと考えられている。今回新記録を作った胚もゆっくりと冷凍され、プラスチックの容器に保存されていた。そのため、引き受ける医療機関を見つけるのが大変だったという。結果的に3個の胚のうち、ひとつが胎児へと成長した。
Exclusive: A record-breaking baby has been born from an embryo that’s over 30 years old(MIT Tchnology Review))

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