英国:極右政党リフォームUK、次に狙うのは中流階級の中年女性票

8月は英国でも夏休みムードで政党の動きの少ない季節。5月の地方選挙で台頭した極右のリフォームUKはこの隙を狙ってメディア攻勢をかける。同党はNHS(英国の医療制度)か犯罪のとちらを争点にすべきか悩んでいたが、犯罪に決めたようだ。警察官の大幅な増員、海外での拘留も含めた刑務所の拡張などへの予算獲得を訴える。これまで党首のナイジェル・ファラージ氏中心で動いてきたが、今回は女性議員、ライラ・カニンガム(Laila Cunningham)氏を使い「Mums for Reform」(母親のための改革党)というキャンペーンを計画中だ。

すでに中高年労働者階級の白人男性票を勝ち取ったリフォーム党の次の狙いは、中流階級の中年女性。凶悪犯罪増加や子供の非行を恐れ、さらにに女性である自身の安全が気になる層の票をリフォームはまだ十分掘り起こしていない。移民と犯罪に世論を注目させ、それを女性票を結びつける。例えば、国境安全を強化する法案には、女性や少女に対する暴力的な犯罪を犯した移民を簡単に国外退去させられる内容を盛り込む。
Labour should beware Mums for Reform (The Sunday Times/有料記事)

Editor's note 英国タイムズ紙のPATRICK MAGUIRE氏のコラムです。極右政党の戦略が、男性から女性へとシフトする動きが、今後日本でも起こる可能性が高いと思い取り上げました。ただし、日本で女性に対する犯罪を犯した外国人に厳しく対処するなら、ある国の軍人さんを除外できなくなるので、困ったことになると思いますが。