TACOなんて関係ない!トランプの貿易戦争は勝利へ向かう
07/18/2025
ウォールストリート・ジャーナルのグレッグ・イップ(Greg Ip)氏のコラム。トランプ大統領は、重要な貿易相手に対し、合意ができないなら8月1日に関税を大幅に上げると通告した。だが、相手国も市場からも過敏な反応はなかった。4月に一度関税の適用を延期した際、90日以内に多くの国と合意すると説明したが、実際に合意できたのは英国のみ。ベトナムとインドネシアとは枠組み合意だけだ。期限内に多くの国と合意できなかったのは「Trump Always Chickens Out(どうせトランプは怖気づく)=TACO」と相手に見られたからという観察もある。でもそれは間違い。トランプは交渉術を楽しんだり、自己満足だけでなく、本気で高関税をかけることを目的としている。第2期トランプ政権の経済顧問は、非関税障壁を取り除き、もっと米国製品を買わせるための道具として高関税を位置づけているが、トランプ自身はそう考えていない。彼にとって、交渉の結果であろうと、一方的なものでも、関税は高ければ高いほど良いのだ。他国は米国市場に参入するのにショバ代を払うか、米軍の庇護が欲しいなら金を払うべき、という信念なのだ。過去の政権は、より自由な貿易を求めつつ、国内の生産効率を上げることを目指した。生産性が上がることで消費者が恩恵を受け、海外からの投資も増えた。一方的に関税課すことでトランプが勝ったように見えたとしても、果たしてそれは、米国にとっての勝利といえるのだろうか?
Forget TACO. Trump Is Winning His Trade War. (Wall Street Journal)