「票を返せ」、カナダ人妻を違法滞在で拘留されたトランプ支持者

トランプ政権の違法移民取り締まり強化で、米国市民と結婚して3人の子供を持つカナダ出身の45歳の妻シンシア・オリベラさんが、グリーンカード申請の面接に移民局に出向いた折にICEに拘留され、その後テキサス州の収容所に送られた。米国市民でトランプに投票したという夫は、地元TV局の取材に「私の票を取り返したい」と語った。トランプ政権は危険な犯罪を犯した不法滞在者を重点的に取り締まる方針を強調するが、「正当な滞在許可を持たないで米国内にいる者は、犯罪者であり国外退去となる」が、政権の立場だ。

夫がトランプに投票したのは「『危険な犯罪者を大量に国外追放』するという公約に惹かれた」からだという。ところが、妻の前歴を忘れていたようだ。オリベラさんは、1999年に一度カナダから正式な書類なしで米国に入国しようとして国外退去になった。その数カ月後、メキシコから家族で車でサンディエゴへ入り、米国に戻った。その時は何も訊かれず国境を通過できたという。

国外退去になった後、正式な手続きや許可なく再入国することは重罪(Felony)であり、それが今回の拘留の根拠。彼女は米国永住権(グリーンカード)申請を何年も前から試みている。さらに2024年バイデン政権により、彼女に米国内で合法的に働ける許可書を得ていた。オリベラさんの例は特異なものではなく、米国市民と結婚している不法滞在者の多くは、トランプ政権下で取り締まり対象になると予想していなかったようだ。
‘I want my vote back’: Trump-voting family stunned after Canadian mother detained over immigration status (The Guardian)