米国ではしか大流行、国内感染ゼロ宣言以後初の記録的な急増
07/06/2025
米国では今年これまでに1,227件のはしか感染が確認された。半年足らずで2019年の年間記録を更新。専門家は報告されていない感染が多数あり、実際の件数はさらに多いと推測する。はしかは、2000年に米国内ではこの感染症の国内における伝播が1年以上発生せず、地域的に終結(elimination)が宣言された感染症だ。感染拡大の理由として、子供のワクチン接種率の全般的な低下、そして、西テキサス州のワクチン接種率の低い地域での1月に始まった流行が引き金となったと見られている。CDCによれば、感染者のうちMMRワクチンを接種済みは8%。28%の発症が5歳以下。また、患者の8人にひとりが入院が必要となった。MMRワクチンは感染力がひじょうに高いはしかに対して、1回の接種で93%、2回だと97%有効だといわれている。一部の親のワクチン接種に対する消極的姿勢の陰には、反ワク的発言を繰り返す保健省長官ロバート・ケネディ・ジュニア氏の煮え切らない姿勢もある。
Measles cases surge to record high since disease was declared eliminated in the US (CNN)
日本でも大阪万博入場者のはしか感染の確認が公表され、接触の可能性のあった来場者等に注意が呼びかけられている。
大阪・関西万博会場の来場者、はしか感染判明 大阪市が注意呼びかけ (朝日新聞)
米国のはしか、33年ぶりの大流行。7月4日現在確認された感染者は、38州とワシントンDC特別区に広がり合計1,300人。すでに3人が死亡し155人が入院した。近年では、28,000人の感染者が出た1990年以来の高い件数。他の国では今年これまでに英国が529、カナダは3,000件を超えている。
Measles cases in the US reach 33-year high (BBCNews)
はしかの流行に関するNYTの記事。グラフや地図が、状況の理解を助けるよい資料。
Measles Cases Hit Record High, 25 Years After U.S. Eliminated the Disease (New York Times)
英国ではしか原因でこどもの死亡が公表されました。英国内では過去5年間で2例目。この病院では6月までに17人がはしかで治療を受けているそうです。日本もワクチン接種をさらに推奨し、渡航者のチェックをより慎重にしないと。
Child dies at Alder Hey after contracting measles (BBC News)