マイクロソフト、VCR判例を引き合いにNYTのAI訴訟却下を求める
03/07/2024
Microsoft argues Supreme Court’s VCR ruling should doom NYT’s OpenAI lawsuit (ars Technica)
マイクロソフトは、 ニューヨークタイムズ紙の同社とOpenAIに対する著作権法違反の訴訟について、1980年代に米国映画協会(MPAA)がビデオレコーダー(VCR)が業界を台無しにするとして、画期的な新技術を止めようとした事例との類似性を指摘、訴訟の一部を退けるように求めた書面をニューヨーク州連邦地裁に提出した。
マイクロソフトによると、NYTの訴えは、984年に連邦最高裁が却下した ベータマックス訴訟(Sony Corporation of America v. Universal City Studios)と同様なものであり、著作権法においては、AIで使われる大規模言語モデル(LLM)は、VCR、コピーマシン、パソコンなどと同様に扱われるべきと主張。
VCRに対する判例を引き合いに、NYTの訴えの一部は、ユーザーのAI製品の使用の結果から生ずる著作権侵害の責任を負わせるものであり、マイクロソフトはVCRやパソコンなどと同じように、AI製品を使って権利侵害が起きる可能性をマイクロソフトは認識するにすぎないとの見解を示す。
一方NYT側は、OpenAIが何100万ものNYTの記事を許可なく使用して訓練し、作り上げたことを認めていることを挙げ、大規模な著作権侵害が製品に不可欠ではないVCRとLLM を同列に語ることはできないと反論する。