テキサスの連邦政府との軋轢は連邦国家の終焉、都市国家への序曲か?
02/02/2024
共和党の大統領予備選でトランプに挑戦を続けるニッキー・ヘイリー(元サウスカロライナ州知事、元国連大使)。彼女が大統領になったなら、違法移民と国境警備で連邦政府と対立するテキサス州が、連邦を離脱することを容認するとの発言が物議を醸している。その後、あくまでも仮定の話で実現はあり得ないと、トーンダウンしたが。
この発言で思い出したのが、”未来予測”をしてきたシリコンバレーの導師、ポール・サッホ(Paul Saffo) 氏の2007年の講演。
「米国が今世紀半ばまでに今の連邦国家という形態で存続する確率は50%以下 … 民族国家(Nation States)から都市国家(City States )へと権力や経済の中心は移行する」
成功例としてシンガポールを挙げる。政治体制が完全な民主主義でなくとも、政府が住民のニーズに対応し、大きな不満が出なければ安定し、経済発展が可能であることを示している。シリコンバレーやロサンゼルス、また、カリフォルニア州という単位でも、同様な都市国家的な存在になる可能性が十分あると述べている。テキサス州の連邦離脱議論は、経済よりも政治的なドラマという面が大きいが、United States of Americaの終焉を予言するものではないのか?
日本においても、能登地震への対応で地域格差が歴然とした。東京圏や大阪圏が都市国家的な存在になる日は来るのか?そうなると、それ以外の地域の住民は、同じレベルの医療や福祉サービスが保障されないかもしれない。シンガポールに毎日国境を越えて通勤するマレーシア人労働者のような境遇が起こるかもしれない。日本国民はそれを受け入れることができるのか?