米国:中国偵察気球騒動は中国製TikTokで検閲されなかった
02/08/2023
How the Chinese spy balloon drama played out on Chinese-owned TikTok (Washington Post)
世界で最も人気あるアプリ、TikTokは米国だけでも1億人のユーザーがいる。中国製アプリは、中国政府への情報漏洩や情報操作の脅威があるとして禁止する動きがあるが、今回の偵察気球騒動では心配された検閲や情報操作はなかったようだ。
米軍機が偵察気球を撃ち落とした瞬間ととらえたビデオを撮影したサウスカロライナ州の不動産業を営むスコット・コーミー氏が選んだSNSは、中国産のTikTokだった。3000人のフォロワーしかいないにもかかわらず、コーミー氏のビデオは2日間で230万回再生された。これはTikTokのブースト機能によるところが大きい。
TikTokに反対する政治家の中には、「偵察気球よりもTikTokのほうがはるかに大きな脅威だ」とし、「バイデン大統領は次にTikTokを撃墜すべきだ」と主張するフロリダ州選出のマット・ゲーツ下院議員もいる。
しかし、今回の騒動で人気となったTikTok上のビデオには、中国政府を笑い者にするようなものも多数あったが、中国政府による情報操作を感じさせるものはなかったようだ。国内では厳しくインターネットを検閲する中国だが、国境の外側においてはコンテンツに影響を与えることは難しいようだ。中国国内では検閲されている人権問題を扱ったようなビデオでも、検索すれば観ることができる。中国政府が「気象観測気球」だと主張しているにもかかわらず、「#chinesespayballon」というハッシュタグのついたビデオは検閲されず、9000万回も再生されている。