米国:宝くじ、超巨額賞金が続く事情

What’s behind the recent streak of billion-dollar jackpots in lotteries? (NPR)

先週、メイン州で宝くじを買った人が、13憶5000万ドルのジャックポットを当てた。この賞金は米国宝くじ史上4番目に高額な賞金だが、過去半年で10億ドル以上を支払う当たりくじが3回も出た。

宝くじに詳しい経済学教授はその理由について、大手宝くじ団体がより多数のくじを販売するために、意識的にジャックポットを近年巨額化した。目的はもちろん、できるかぎりの利益をあげ、州政府に入る収入を増やすことにある。

10年ほど前、全米を2つに分けて営業していた大手宝くじ2社が手を組み、すべての州で販売するようになった。また、くじ単価も1ドルから2ドルに値上げした。その結果、ジャックポットに貯まる金額は実質的に2倍へ。同時に当選確率を3億分の1へと引き下げ、当たりがさらに出にくくし、キャリーオーバーしやすくした。

つまり、超高額賞金が出る環境を作り出し、買い手の興味を引くのだ。13憶5000万ドルの当たりでは、ジャックポットが1000万ドルの頃と比べ、20倍の枚数が販売されたと推定される。

2ドルの宝くじの売り上げは、次のように分配される。10 セントがコンビニなど販売所。1ドルが賞金に。約10セントが運営管理費。そして残った70から80セントが州の収入になる。

ほどんど当たることのない高額賞金は、宝くじを「夢を買う」娯楽として購入する大半の人々には問題ないが、人口の0.5から5%にはギャンブル依存症の傾向があると言われる。宝くじを販売するすべての州では、収入の一部をギャンブル依存症対策のために割り当てることが法制化されている。

Editor's noteこの記事で私が気になったのは、ある国では宝くじへの若年層の関心を高めるために、秘かにユーチューバーなどインフルエンサーを利用してないか、ということ。あの中抜きで有名な社名を口に出せない企業が絡みそうな案件だから。